(Photo: The Sydney Morning Herald)
先日パースから180㎞北上に位置するインド洋に面したビーチTonya Illmanで、瓶詰されたメッセージが近くを歩いていたオーストラリア人家族によって発見されました。
家族は「綺麗な瓶だな。持って帰ってインテリアに使おう」くらいの気持ちで拾い上げましたが、砂を払い中を見ると、瓶の中には古ぼけた紙に紐できつく縛られ丸められた小さなメッセージが入っているからびっくり。
家に持ち帰り紙を乾かし文字を見ると、判読できるかどうかも分からないくらいのドイツ語らしき文字が書いてありました。
もしかしたら歴史的発見か、はたまた誰からのいたずらか。
その真偽が分からぬまま博物館に持って調べてもらうことに。
するとなんとその瓶は、132年前にあるドイツの帆船から投げられたものだということが判明しました。
研究員によると、瓶には通常あるはずのコルク栓もなく、その割に紙の保存状態が良いことから、海に投げ込まれて1年もしない間に砂浜に漂着し、100年にも渡って土の中でその時を待っていたのではないか、とのこと。
その後ドイツ、オランダの研究者の協力も受け、その瓶はドイツ海軍による海洋調査の一環で1886年に海に投げ込まれたものだということが分かりました。
当時ドイツ、オランダでは大洋の海流調査とより速く効率的なルート発見を目的として、メッセージ入りの瓶を使った調査を行っておりました。
実験を行う船の船長は紙の表面に瓶が投げ込まれた日付、乗組員、船・母港の名前、船のルートを書き記した上で投げ込み、その瓶を拾った人がその裏面に拾った場所などの詳細を書き、ドイツもしくはオランダに送り返すというかたちで調査は進められていたようです。
今回オーストラリアで発見されたこの瓶を132年前に海に投げ込んだのは、ドイツのPaula号という船。
同船の船長によって書かれた日誌のCの文字の曲がり具合と、瓶の中のメッセージのCの字の特徴が同じだったことから判明しました。
18世紀後半から19世紀前半の69年にかけてこの調査は繰り返され、その間に662通ものメッセージが返還されたそうです。
今回以前の「瓶が投げ込まれてから見つかるまで」の最長記録は108年間で、それも破る発見となりました。
時代を超えて渡ったメッセージ。
Vibesのブログも、ふとしたことから130年後の誰かにまた発見されるのかもしれないですね。